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小さな可愛らしい物を集める喜び…おはじき
ちょっと小洒落た雑貨屋さんなどが、ディスプレイ用にガラスのおはじきを飾っているのを目にする事があります。クリスタルのグラスに入れたり、綺麗に散らしたりして…
現在のようなガラス製のおはじきが普及するのは、明治時代後半になってからのことです。おはじきの歴史はとても古く、いつとは特定できません。
「身の回りの木の実・小石・貝がらなどを指先で弾いて遊ぶ」を、おはじきと定義すれば紀元前から世界的に存在する遊びです。
ヨーロッパ古代のおはじきは円形の中央に小石を撒き散らし、これを他の小石で狙いはじき、一番多く弾き出した者が勝ちというゲームでした。
アジアでは、インド・セイロンに始まったこの遊びが中国に伝えられると魏の時代(紀元200年)に弾基(はじき)という遊びになりましたこれは黒白の石を互いに分け持ち、中高になっている盤の隅から弾きあい、中央の凸面を超えて打ち当てれば相手の石を取り、失敗すれば自分の石を取られる遊びでした。
この盤上弾基は日本に伝わり、平安時代には貴族たちの間で遊ばれました
日本では平安朝の宮廷でオトナのお遊びとして始まり、子ども(特に女の子)の遊びとして普及・定着したのは江戸時代になってからで、キシャゴ(ゼゼ貝)と呼ばれる小指の先ほどの小さな巻貝が主でした。
ガラスのおはじきが売り出され普及するのは明治も35年以降のことで、それ以降、女の子のおうち遊びとして定着してゆきます。
おはじきは、遊びそのものの面白さと、小さな可愛いもの・美しいものを集める喜びを満たしてくれた遊びでした。明治時代、1銭で約1合枡一杯買えたキシャゴ貝でさえ、美しい赤い線の入ったものが稀にあり、少女たちは、そんな貝のことを「お姫さん」と呼び特別な存在として大切にしたそうです。(『明治の子ども 遊びと暮らし』本邦書籍 藤本浩之輔より)